姑獲鳥の夏 文庫版 講談社文庫 京極夏彦著
京極堂シリーズ。
あまりの分厚さに躊躇してたけど、映画が観たいので読むことに。
舞台が戦後まもなくということで、ちょっと古めかしいく、
序盤、概念的な説明がメインでなかなか世界に入り込めなかった。
久遠寺涼子が探偵・榎木津のところにやってきたところから、だんだん
テンポがよくなり読み進むのが楽しみに。
夫・久遠寺牧夫は密室から失踪し、妻・梗子は20ヶ月も身ごもり続けている・・・。
普通ではあり得ない状況を、陰陽師・京極堂、探偵・榎木津、警官・木場が
各々の立場から解決に立ち向かう。
全体的に関口がキーマンですね。
妖しい世界観、謎解きの巧妙さ、魅力的な登場人物。京極堂シリーズ、目が離せません!
【オマケ】映画のキャストはこうなっとります。
賛否両論あるようですが、なかなかいい感じだと。ただ、関口はもうちょっと神経質なイメージが。
中禅寺秋彦(京極堂):堤真一
関口 巽: 永瀬正敏
榎木津礼二郎: 阿部寛
木場修太郎: 宮迫博之
中善寺敦子: 田中麗奈
久遠寺涼子・梗子: 原田知世
公式サイトはこちら→http://www.ubume.net/
オススメ度:★★★★☆
時計館の殺人 講談社文庫 綾辻行人著
『館』シリーズ第5作。
108個の時計が集められた館で、10年前に一人の少女が死んだ。
その後、呪われているかのように関わった人々が次々と命を落とす。
幽霊屋敷という評判を聞きつけ、霊媒師、ミステリ研究会の学生、
雑誌編集者が取材に訪れるが、そこでまた殺人が繰り返される。
シリーズの中でも殺人の数がハンパない。
こんなに殺してよっぽどの恨みがあるのだろうな、と。二転三転する犯人像。
他とちょっと趣向が違うのは、探偵役・鹿谷と友人・河南が一緒に行動することなく
物語が進むところかな。
時計って正しく動いていると信じているからこそ役に立つのであって、
「狂ってるかも」なんて思いながら使うものじゃないですね。
そこがこの作品のキモでもあるのだけど。
オススメ度:★★★☆☆
Timebook Townにて、525円也。
エンタテインメントClubにてダウンロード。
最近ドラマ化、映画化されて話題になってますが。
お、面白いですっ!
精神科医伊良部一郎は注射フェチでマザコン。色白の肥満体は清潔とは言い難い。
そんな彼のもとにやってくる患者たちは、治療らしい治療を受けるでもなく、
それでも毎日通っていくうちに心も体も回復していく。
1話完結の読みやすい構成。(文体も想像してたよりずっとキレイ)
”ケータイ中毒”の高校生を描く「フレンズ」が一番シンプルで面白い。
続編『空中ブランコ』も早速読もう。
オススメ度:★★★★★
黒猫館の殺人 講談社文庫 綾辻行人著
『館』シリーズ第6作。
なんというか他の巻と比べるとフツー?といっても何人も死んでいるけど。
編集者江南のもとに、記憶喪失の男・鮎田がある依頼の電話をよこした。
「私は一体何者なのか?」推理作家・鹿谷に調べて欲しいと。
鮎田が書いたものらしい手記を元に、彼が管理人をしていたという
”黒猫館”を探すことから始まる。
鮎田の手記と、現在の時間軸が交互に組まれた構成。
密室殺人と記憶喪失。題材はオーソドックスながら、鹿谷の謎解きが光ります。
そして、中村青司の手による”黒猫館”。
今回はあんまり、からくり館な感じはしません。ただ、存在自体が”からくり”かも。
オススメ度:★★★☆☆
駆けこみ交番 乃南アサ著
に収録された一編を新潮ケータイ文庫にて購読。
お巡りさん・高木の奮闘記!?
等々力セブンの文恵が友人に付き添って高木の勤務する交番にやってきた。
届け出は「犬の誘拐」。
被害者宅には、誘拐と前後して「犬を預かってるので、お金を振り込んでください」と
書かれたチラシが投げ込まれる。
先輩に対応を押しつけた報いか、高木は定年退職間際の刑事・元山の最後の一仕事に付き合うことになった。
オレオレ詐欺ならぬワンワン詐欺。小馬鹿にしながらも、本物のデカと
行動を共にすることで、いつしか気持ちも引き締まってくる。
ただ格好いい面しか見ていなかった刑事の実情、事件の重さを知るごとに
自分は刑事になれるだろうか、なりたいのだろうか自問。
捜査も刑事モノの王道を行っていて読んでて安心。
ダルイ若者高木クンもちょっと成長?
最後は”春”もやってきそうな予感vvv
葉村晶シリーズ。
他の作品(依頼人は死んだ、悪いうさぎ)からすると、
番外編のような扱いか。探偵以前の晶が楽しめる。
おなじみ葉村晶の4編、風変わりな小林警部補の3編、そして二人の話1編の連作集。
ああ、相変わらずクールで暗くてキビシイ文章。
中でも『ロバの穴』は、人の悪意の恐ろしさに身震いしたほど。
『トラブル・メイカー』も救いようのない悪意。本気で晶に同情してしまう。
小林警部補の方は、警察というちょっと高さの違う目線から見てるので
晶編とは空気が違う。彼は刑事コロンボのようなキャラ。
キッツイ晶編とのんびり小林編が交互に編まれているのが勝因ですか。
これ晶編ばっかりだったら、発狂してますぜ私。
刃物より銃より毒薬より何より怖いのは人のココロ。
晶編:海の底、ロバの穴、あんたのせいよ、
再生小林編:冬物語、殺人工作、プレゼント
共通:トラブル・メイカー
オススメ度:★★★★☆
空中ブランコ 奥田英朗著
Timebook Townにて、525円也。
伊良部センセイ、パワーアップ。
サーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手、
義父のカツラが気になって仕方がない医師、設定のパターン化に悩む小説家。
職業病シリーズ、といった感じ。
ベテランは得てして自分に自信を持っており、その自信がぐらつく事態になると
パニックに陥ってしまう。後輩に嫉妬したり、作品が評価されなかったり。
伊良部の一見どうでもいいような診察も大きな力だけど、
今回の患者さんにはよき理解者がそばにいるのが一番のクスリだと思う。
#まずは、休め。そうだよ、疲れたら休もう。
前作「インザプール」では変な精神科医という感じだったのに、
まともなセンセイに思えてしまうから不思議。
オススメ度:★★★★☆

虹の家のアリス 加納朋子著
文庫化を待って、ようやく読めました。
私立探偵仁木と助手安梨沙シリーズ、第2作。
仁木、安梨沙の家族が勢揃い。
散々待って読んだので、意外な展開に辛口になってしまいました。
オススメ度:★★☆☆☆
「割れる爪─刑事・麻生龍太郎」 柴田よしき著
Timebook Townにて一話105円。買い取りだと157円也。
全3回。
警察小説〈RIKO〉シリーズの名脇役・麻生龍太郎の若い頃のお話。
本編を読まずに外伝を読むという暴挙。
白昼女子高校生が路上生活の女性に飛び掛かられ、顔を怪我させられる。
現行犯逮捕された女は”はなこ”と呟いたきり口をきこうとしない。
龍太郎の粘り強い尋問から、彼女と被害者が過去に会ったことがあるらしいことがわかる。その意外な真相とは。
たった3回の短編なんですが、うまい展開です。お見事。
状況証拠から徐々に行動範囲を狭めて、最後には”はなこ”の身元を割り出す。
新米刑事を温かく見守る同僚たちがまた良い感じ。
RIKOシリーズが読みたくなります。
※このシリーズは、第1話を無料で読むことができます。
「雪うさぎ─刑事・麻生龍太郎」 柴田よしき著
Timebook Townにて一話105円。買い取りだと157円也。
全3回。
警察小説〈RIKO〉シリーズの名脇役・麻生龍太郎の若い頃のお話。第2弾。
先輩宅からの帰り道、マンションのベランダで幼女が泣き叫んでいるのを発見。
無事救出するが、その部屋では母親が変死していた。
病死とされるが、いくつかの違和感がぬぐえず、所轄との関係に気を揉みながらも
事件の調査に乗り出す。真相は意外なところに・・・。
雪うさぎの名前から、可愛らしい話を想像しましたが結構ダーク。
雪うさぎ=おまるを重要証拠に持ってくるなんて、女性ならでは(母親ならでは)の視点ですねぇ。
先輩刑事及川との微妙な関係が気になるところ。

『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂 幸太郎著
「陽気なギャングが地球を回す」の第2弾。
同じ人が書いたとは思えないほどタッチが違う。
序盤4編が4人組の日常、中盤以降、人助けの為の大襲撃。
後輩から見た公務員成瀬。偶然なのか強盗を捕まえる。
酔った客が見た「幻の女」を探す響野。
同僚に手渡された舞台チケットの真相を見抜く雪子。
掏摸にあった男と知り合い、その掏摸からも財布をする久遠。
クールで淡々としていながらも人と関わるのがイヤじゃない4人。
嫌みの無い接し方に読んでる方も引きつけられる。
その魅力は個々でいるより4人揃った方が断然アップ。
バラバラの日常もいろんなところでちゃんと繋がっています。
前作読んだときに、「銀行強盗が身近な出来事じゃないから」云々と感想述べてましたが、いいんです身近じゃなくて。
そこに疑問もったら楽しめないんです。
ということにやっと気づきました。
久遠と響野、響野と成瀬のやりとり、めちゃくちゃ面白い。
一歩間違うと屁理屈の応酬なんだけど巧いとこで止めてる。
こういう会話ができる人になりたい(ある意味変な人たちだけど)
「大きな靴─刑事・麻生龍太郎」 柴田よしき著
Timebook Townにて一話105円。買い取りだと157円也。
全3回。
警察小説〈RIKO〉シリーズの名脇役・麻生龍太郎の若い頃のお話。第3弾。
>あらすじより
ある日、所轄で、ホーリーという飼い犬が人の手首を咥えてくるという事件が発生し、
龍太郎とキャリア組の新人・木村は、ホーリーの散歩経路を調べ始める。
二人がたどり着いたアパートは、以前ホーリーが住民の子供の靴を持ち帰ってしまったところ。
そこで未婚の母親・須藤に出会い、何かを感じ取った龍太郎は、警察犬にアパートを捜索させることに・・・。
うわー、コワイグロイ。
巧い構成なんだけど、想像したらゾッとした。
龍太郎は勘が良すぎる。大きな冷凍庫にご注意。
講談社文庫、講談社ノベルス、Timebook Townでお楽しみ下さい。
華麗なるマンネリ?
臨床犯罪学助教授火村と作家アリスが挑む謎の数々。
作家アリスものの中でも国名がタイトルに付く作品を集めたシリーズ。
短編あり、長編あり。
TimebookTownで配本してなければ手を出さなかっただろうな。
嵌った。
☆各感想はこちら。
→『ロシア紅茶の謎』
→『スウェーデン館の謎』
→『ブラジル蝶の謎』
→『英国庭園の謎』
→『ペルシャ猫の謎』
→『マレー鉄道の謎』
→『スイス時計の謎」
→未『モロッコ水晶の謎』








N大の犀川助教授と西之園萌絵シリーズ。
講談社ノベルス、講談社文庫、TimebookTownでどうぞ。
元祖?理系ミステリ。
ゴーイングマイウェーな犀川とお嬢様萌絵が超人的な頭脳で事件の謎を解く。
凡人な脇役がいることでちょっとホッとするシリーズ。
焦れ焦れの二人の恋模様も織り交ぜつつ。
☆各感想はこちら。(ブログ以前の感想は本宅にて)
→『すべてがFになる The Perfect Insider』
→『冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room』
→『笑わない数学者 Mathematical Goodbye』
→『詩的私的ジャック Jack the Poetical Private』
→『封印再度 Who Inside』
→『幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic』
→『夏のレプリカ Replaceable Summer』
→『今はもうない Switch Back』
→『数奇にして模型 Numerical Models』
→『有限と微小のパン The Perfect Outsider』



講談社単行本、講談社文庫、Timebook Town(3作OK)でお楽しみ下さい。
東京・三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」に集う面々。
マスター工藤の出す美味い料理とビールに舌鼓を打ちながら、身の上話をし始めるが、彼はそのちょっとした謎や人生の悲喜こもごもを見事解き明かす。。
謎解きもさることながら、出てくる料理も気になるところ。
こんなバー、あったらいいなと思うこと間違いなし。
☆各感想はこちら。
→『花の下にて春死なむ』
→『桜宵』
→『蛍坂』
→未『香菜里屋を知っていますか』




新潮社単行本、新潮文庫でどうぞ。
異端の民俗学者・蓮丈那智とその助手・内藤三國が、全国へフィールドワークに出かけ、古来の謎に立ち向かう。
クールな那智とホットな三國の掛け合いも面白い。
かなりの蘊蓄系ミステリです。
☆各感想はこちら。
→『凶笑面』
→『触身仏』
→未『写楽・考』
→新潮ケータイ文庫「鬼無里」



講談社文庫、文春文庫、文藝春秋単行本、一部Timebook Townでどうぞ。
店を持たずに骨董商を営む旗師。
宇佐見陶子は冬狐堂と名乗り、騙し合い、駆け引きの世界を渡り歩く。
数々の危機にあいながらも骨董の魅力には勝てず、危ない橋を渡り続ける。
蓮丈那智シリーズと同様、蘊蓄系ミステリです。
他シリーズとのコラボもあったりして面白い。
☆各感想はこちら。
→『狐罠』
→『狐闇』
→『緋友禅』
→未『瑠璃の契り』




東京創元社文庫、Timebook Town(3作OK)でお楽しみ下さい。
英都大学の学生アリスの推理小説研究会での日々。
探偵役は部長の江神二郎。
「作家アリス」シリーズとはパラレルで、学生アリスが同シリーズを執筆してるという設定らしい。
青春真っ盛りのアリスの初々しさを堪能。
☆各感想はこちら。
→『月光ゲーム Yの悲劇'88』
→『孤島パズル』
→『双頭の悪魔』
→未「女王国の城」
作家アリスの、推理小説家故に招いたり招かれたりの事件推理記。
探偵役は臨床犯罪学者火村英生。
「学生アリス」シリーズとはパラレルで、作家アリスが同シリーズを執筆してるという設定らしい。
学生時代からの友人火村との息のあったコンビぶりを堪能。
火村には何か過去に事情があるらしい・・・。
火村英生のフィールドノートを副題とし、漫画が出てる模様。
麻々原絵里依著。
☆国名シリーズは別立てにしてます。
→有栖川有栖『国名』シリーズ
☆各感想はこちら。
→『46番目の密室』
→未『ダリの繭』
→『海のある奈良に死す』TimebookTown
→未『朱色の研究』
→未『暗い宿』
→『絶叫城殺人事件』TimebookTown
→未『白い兎が逃げる』
→『乱鴉の島』
☆短編
→「ABCキラー」(アンソロジー『「ABC」殺人事件』所収)








柴田よしき著
1,2作目は講談社文庫、TimebookTownでもどうぞ。
3,4作目は実業之日本社刊。
保育士で元警察官で探偵で。
新宿歌舞伎町に園を構え、いつも危険に晒されながら
子どもたちのために今日もハナちゃんは仕事に精を出す。
設定の奇抜さもさることながら、登場人物の活きの良さが抜群。
ハラハラドキドキ極上のサスペンスです。
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※07/09/22 4作目情報追加
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☆各感想はこちら。
→『フォー・ディア・ライフ』
→『フォー・ユア・プレジャー』
→未『シーセッド・ヒーセッド』
→未『ア・ソング・フォー・ユー』
☆ドラマ化情報
→ハナちゃんドラマ化
→やっと見たハナちゃんドラマ




出版社へのコネ入社がコンプレックスのOL寧々と弥々。
悩んだり怒ったり傷ついたり、普通のOLも何かと忙しい。
代わり映えのしない毎日だけど、それでも何かしら楽しみを見つけて過ごす一週間。
等身大のOLに会いたい人に。

やってられない月曜日 新潮社
★新潮ケータイ文庫での感想はこちら。
→「やってられない月曜日」
→「誰にもないしょの火曜日」
→「とびきりさみしい水曜日」
→「甘くてしょっぱい木曜日」
→「それでもうれしい金曜日」
→「命かけます、週末です。」
→「またまた、やってられない月曜日 エピローグ」
舞台は江戸。
薬問屋長崎屋の病弱な若だんな一太郎が、妖の手代佐助、仁吉と一緒に日常に起こる不思議な出来事を解決していく。
寝込んでばかりの一太郎の成長物語としても面白い。
※07/12/17しゃばけ読本追加
★新潮社「しゃばけ倶楽部 バーチャル長崎屋」
☆各感想はこちら。
→『しゃばけ』
→『ぬしさまへ』
→『ねこのばば』
→『おまけのこ』
・新潮ケータイ文庫「こわい」
・新潮ケータイ文庫「畳紙」
・新潮ケータイ文庫「動く影」
・新潮ケータイ文庫「ありんすこく」
・新潮ケータイ文庫「おまけのこ」
→『うそうそ』未読
→『みぃつけた』未読
→『ちんぷんかん』
・鬼と小鬼
・ちんぷんかん
・新潮ケータイ文庫「男ぶり」
・今昔
・新潮ケータイ文庫「はるがいくよ」
→『しゃばけ読本』






