« 2007年7月 | メイン | 2007年9月 »

2007年8月 アーカイブ

2007年8月 6日

新潮ケータイ文庫「参勤交代は知事の務め」

「参勤交代は知事の務め」 石持浅海著

初出:小説新潮2007年4月号
人柱シリーズ。
日本の文化を巧みに脚色した面白い設定です。
留学生リリーの視点を通して眺める日本は、変な国か否か?

東郷は人柱を引退し、叔父の三郎が道知事に当選。
知事公邸に移り住んだ三郎がベッドのマット裏から発見したのは、百枚ほどの一万円札。東郷が導き出したお金の出所は・・・。

国と地方の鬩ぎ合い。どちらの辛さも味わうことになった官僚出身前知事の苦悩。

地上に出てきて人心地ついた東郷と、リリーとの恋も発展してイイ締めくくりでした。


★単行本になってます。一気に楽しみたい方はこちらを。


人柱はミイラと出会う 新潮社

2007年8月 8日

Yonda?ブックカバー、届きました。


色は青。
思ったより早く届きました。

コレクター化しちゃってるので、普段使いにもう一個欲しい。
というわけで、「真夜中の5分前」SideA、SideBの2冊追加。
踊らされてます(^^;)

2007年8月 9日

新潮ケータイ文庫「くまちゃん」

「くまちゃん」 角田光代著

初出:yomyom vol.2

就職し学生時代の楽しい日々から一転、単調で退屈な毎日。
久しぶりに同級生たちと集まった花見の席で、苑子はくまのイラストが描かれたダサいTシャツをきた男と意気投合。定職を持たずぶらりと生きる“くまちゃん“と付き合い始めるが・・・。

ダメ男にすがりつく寂しい女の物語かと思いきや。
青くみえた他人の芝生は大して青くもなくて。
自由の定義は人それぞれ。

※しまったー。yomyomに掲載されてたものだったとは!
いかに積ん読してるかがばれてしまう。

2007年8月13日

新潮ケータイ文庫「永遠につづく手紙の最初の一文」

「永遠につづく手紙の最初の一文」三浦しをん著

初出:小説新潮2007年3月号
単行本に、「永遠に完成しない二通の手紙」とペアで収録されてます。

文化祭の最終日、親友寺島と体育倉庫に閉じこめられた岡田。
岡田の想いに全く気がつかない寺島は、彼女との後夜祭待ち合わせに気もそぞろ。
このまま閉じこめられたままだったらどうなるんだろうか。

報われない想いを抱える岡田の切ない恋心。
前作読んだとき、しをんさんらしい作品よのぉ!と絶賛しましたが、
これとペアで読むとまたその良さが際立ちます。

ちょっと歪な恋話ですが好き。



きみはポラリス 新潮社

前作は、別のアンソロジーにも収録。

Love Letter 幻冬舎

2007年8月14日

「LOVE書店」5号出てます


ここんとこ本屋巡りしてなかったので危うく入手しそびれるとこでした。

本屋大賞【フリーペーパーLOVE書店】

表紙は成海璃子ちゃん。

今回面白かったのはこちら。

・佐藤多佳子と地引き網にいこう!
・ラーメンズ片桐と行くフェチ書店
・図書券の歴史
・3歳児と父をつなぐ本
・長嶋有のウットリ堂書店

「BUN2(ブンツウ)」


文房具店で面白フリーペーパー発見。

ステーショナリーフリーマガジン、だそう。
結構な文章量で、活字欠乏症を助けるいいクスリ。

内容も濃いです。
消しゴムはんこ職人津久井智子さんのコラム、乗り物折り紙、marumanスケッチブック50年の歴史、がマル。

フリーペーパー流行りですが、こういうマニアックなのもいいものですね。

2007年8月15日

『グラスホッパー』



グラスホッパー 角川文庫 伊坂幸太郎著

強烈な”痛さ”にノックアウト。なんなんだこれは。

悪徳会社の馬鹿息子寺原に妻を轢き殺された元教師「鈴木」は、復讐せんと社員として潜り込む。しかしその思惑は見事に見破られ窮地に立たされる。
その彼の前で、寺原が車に轢かれてしまった。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の手によるものらしい。
「鈴木」は「押し屋」を追うよう命じられ、一件の家にたどり着く。

自殺屋「鯨」は今日も政治家の秘書を”自殺”させた。彼の前に立った人は
窓から飛んだり、ぶら下がったり、必ず最後には自ら死を選ぶ。
最近「鯨」の周りには、死に追いやった面々の亡霊が現れるようになった。
仕事を辞めよう、精算しよう。
小心者の依頼人が、自分の殺しを依頼したと知り「鯨」はその相手を探す。

皆殺しを得意とする殺し屋「蝉」は、ナイフ片手に問答無用に仕事をこなす。
一仕事終えた後のイレギュラーな仕事。ある大男を殺せ。
しかし、遅刻していったホテルでは、大男の替わりに依頼人が首を吊っていた。

寺原を殺した「押し屋」を探せ。探して手柄を。

「押し屋」の居所を掴んだ「鈴木」を寺原陣営が追い立てる。
そんな「鈴木」を横取りせんと「蝉」が追い、「蝉」に命を奪われる所だった「鯨」がその後を追う。

果たして「押し屋」は本当に”押した”のか?何故”押した”のか?


密集したところにたくさんのバッタがいると、餌を求めて凶暴化するものが現れる。人間も同じだ。人間を減らせば穏やかに暮らせるのに。
可もなく不可もなく普通に生きている人間が割を食う。
こんなんでいいのか、世の中は。

「鈴木」はともかく、「鯨」「蝉」の存在意義がわからない。
殺すことが前提で、死ぬまで終わらなくて。
「アヒルと鴨のコインロッカー」も復讐モノだったけど、こちらは種類が違うと思う。
こんなに読んでて居たたまれない気持ちになるのは久々。
他の伊坂モノが恐い。

オススメ度:★★★☆☆

2007年8月17日

「H(エイチ)」2007年8月号

B000TSO0C2 H (エイチ) 2007年 08月号 [雑誌] ロッキング・オン 2007-07-31 by G-Tools
キャラクター特集。 ミッキー、ミッフィー、ピーターラビット他。 普段は立ち読みな雑誌ですが、「こまねこ」スタジオdwarfのインタビューに惹かれて購入。 そしたらば。 なんとトップページにラーメンズ片桐氏のインタビューが! やさぐれぱんだDVDの記事が! (DVD買ったはいいが、まだ観てないので記事も封印) なんともお買い得な一冊。

2007年8月21日

『私が語りはじめた彼は』



私が語りはじめた彼は 新潮文庫

想像していた恋愛小説とは違う切り口。
ちょっと苦手かな、と思いつつ。

何故か女性にもてる大学教授の村川。
妻、愛人、娘、弟子。彼らから見た村川は・・・。
連作集です。

どれも男性視点なのがしをんさんらしい。
結晶:弟子、本妻
残骸:妻が村川に心酔
予言:実の息子
水葬:義理の娘、殺し屋?
冷血:実の娘、婚約者
家路:元弟子

村川の魅力はさっぱり判らないけれど、翻弄される人々の想いが重く暗く。
恋愛の情より家族愛の方が強く描かれてます。

愛してるといいながら、求めていたのは愛だったのか。
失って気付く本当の気持ち。

1回読んだだけじゃ人物関係とかよくわからないので何回か読み返してます。
「予言」、「冷血」のテンポの良さが心地よくて、好き。
ちょっと恋愛から外れてるからかも?

舞台化したら面白いかもしれない。もちろん村川は登場させず、です。

オススメ度:★★★★☆

2007年8月22日

『ミカ×ミカ!』



ミカ×ミカ! 文春文庫 伊藤たかみ著

TimebookTownにて315円也。

双子のミカとユウスケは中学2年。
両親は離婚し、父親と暮らしている。父さんには恋人がいて、再婚も近いかも。
ミカもなんだか気になる男子がいるらしく、オトコオンナのくせに時々すごく女っぽい。ユウスケにも何かと絡んでくる女子生徒が現れた。
インコの助けを借りて、二人の恋?にも進展が・・・。

新しいお母さんが出来るかも、ということで揺れる子供心。
反発するミカ、容認するユウスケ。
恋に恋するお年頃。女の子の方がちょっとませていて男子を押しまくる。
・・・身に覚えありませんか?(^^;)

インコに喋らせたり、ちょっと不思議なエピソードを加えるのが好きなんでしょうかね作者は。

でも。
「ミカ!」で後味の悪かったお姉ちゃんは全く出てきません。
これは続編を考えてるということでしょうかね。
前作なしで、これ単独の方が素直に読めるなと思います。

前作「ミカ!」の感想はこちら→★★★☆☆

オススメ度:★★★★☆

『1、2、3、悠久!』

 「1、2、3、悠久!」 桜庭一樹著

TimebookTownにて105円。買い取りだと157円也。

午前零時シリーズ最終話。

絶世の美女が父親のない子を産んだ。
保守的な町で男たちは父親を巡り疑心暗鬼に陥る。
母にそっくりな赤子は順に、1、2、3と名付けられ、そして4人目は”悠久”と。
娘たちはその美しさと生まれの複雑さ故、決して幸せとは言えない運命と辿る。


なんとも不思議で妖しい雰囲気。
だからどうした!?って突っ込みたい気もします、スミマセン。
奥が深い作風です・・・。

作者さんの朗読版もあります。
「1、2、3、悠久!(著者朗読版)」 210円。買い取りだと315円也。

※他の午前零時シリーズをまとめ読みするなら。

午前零時 新潮社

2007年8月24日

新潮ケータイ文庫「それでもうれしい金曜日」

「それでもうれしい金曜日」柴田よしき著

初出:小説新潮2007年3月号
連作5作目。

心筋梗塞で倒れた同じ駅を使う男性に手を捕まれて、そのまま遅刻。
金曜だけど、自主残業。模型店のバーゲンにも間に合い映画も観られた。
天敵とも仲直りでき、楽しい週末だったけど、週明けに親友弥々から打ち明けられた事実に動転。人にはそれぞれ、自分が知らなかった人生があるんだ。
気楽に生きていると思っていた弥々にも。悲しい寂しい。
決算期を迎え金曜残業が必須。
でもでも。倒れた男性は一命を取り留めたし、うれしいことはまだまだたくさんある。土曜日を楽しみにそれでもうれしい金曜日。

コネ入社で人一倍厳しく働いてきた寧々にちょっとした転機。
職場で見せる顔が”全て”な人なんていない。
隠された部分を知ってより理解し仲良くなれる幸せ。


単行本出ました。(あー、あと2編あるんだ)
一気に読みたい方はこちらで。

やってられない月曜日 新潮社


→「やってられない月曜日
→「誰にもないしょの火曜日
→「とびきりさみしい水曜日
→「甘くてしょっぱい木曜日

2007年8月31日

『失踪HOLIDAY』



失踪HOLIDAY 角川文庫 乙一著

スニーカー文庫という若者向け文庫ですが、表紙に怯まずさぁお手にとって。
初期の切ない短編2作品。

「しあわせは子猫のかたち」
人付き合いの苦手な大学生が一人暮らしを始めた家は、強盗に襲われ命を落とした写真家が住んでいた。
彼女が飼っていた子猫と、彼女の霊との不思議な同居生活。
ある日大学の先輩が遊びに来たときに悲しい謎が解けてしまった。。

2時間ドラマみたいな謎解きだったけれど、なんの恨み言も言わない彼女のやさしさで全てが救われてます。
これぞ切なさ系!

「失踪HOLIDAY」
14歳のナオは血の繋がらない父、継母キョウコと暮らしている。
いつか捨てられるのでは、と疑心暗鬼のナオ。
キョウコが勝手に部屋を探っているのではないかと疑い、冬休みに家出のフリをして彼女を見張ることにする。転がり込んだのは使用人クニコの部屋。コタツしかない狭い3畳部屋で息を潜めた共同生活が始まる。
ちょっとした思いつきが自作自演の誘拐劇にまで発展してしまい・・・。

お嬢様らしいワガママぶりが鼻についた前半ですが、段々と可愛く思えてきて。
クニコの優しさ。父とキョウコの優しさ。
血の繋がらない家族でも思いやる心はホンモノだった。
事故を起こした時が大きな転機です。ココロが成長しました。

ちょっとしたミステリとしても楽しめます。
なんといってもラスト。ホンワカした挿絵が大好きです。


失踪HOLIDAY、テレビドラマ化されてたんですね。
ノーチェックでした・・・(^^;)
クニコ役が戸田菜穂!見たかった~。
http://www.tv-asahi.co.jp/s-holiday/

About 2007年8月

2007年8月にブログ「読書の時間」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2007年7月です。

次のアーカイブは2007年9月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。